2015年10月7日水曜日

秋の甲山で見られるトンボ

さわやかな秋風の吹く今日の甲山です。

自然学習館の前の広場に、朝からいろいろなトンボが訪れてくれました。



ウスバキトンボです。
ウスバキトンボは、移動する力がとても強く、
毎年、初夏に沖縄など南の地域から本州へ飛んできます。
そのあいだ、卵をうみ、卵がかえって幼虫になり、羽化して成虫になり、飛んで移動して・・・と、世代交代を繰り返しながらやってくるのです。

りっぱなうしろばねをしています。
でも、もともと暖かい地域にすむウスバキトンボ。
残念ながら、秋になってここでうまれた卵や幼虫は、寒さのため冬を越すことはできません。
なんだか、ちょっぴり悲しいですね。


空を見上げると、葉を落とした枝のてっぺんに別のトンボをみつけました。
ネキトンボです。
はねの付け根が赤い色をしています。
高いところにじっと止まって、なわばりを見張っているようですよ。
どんな景色が見えるのでしょう。
ネキトンボは、成熟するまで山でくらし、秋の深まりとともに平地にも下りていきます


また別の枝には、アキアカネが止まっていました。
アキアカネ(オス)

アキアカネ(メス)
アキアカネは、少し前までは数多く見られましたが、この頃はその数が減少し、
なかなか出会えないトンボになってしまいました。
これからの季節、山を下りて、稲刈りの終わった田んぼや池で卵をうみます。



トンボさんたち、
秋の甲山を気に入ってくれたかな。

<参考資料>
・「近畿のトンボ図鑑」 山本哲央、新村捷介、宮崎俊行、西浦信明著
・「とんぼとなかよしブック」 西宮市